カイロプラクティックと背骨の関係

カイロプラクティック基礎知識

 カイロプラクティックで重要視される身体の部分、それが背骨です。カイロプラクティックの先生は”背骨の専門家“なのです。

 背骨を重要視するのには理由があります。それは身体の中で背骨が特別な役割をもっているからです。ここでは背骨の重要性について解説しましょう。

目 次

背骨は身体の中にある鎖

 まず背骨についての基礎知識です。実は”背骨”は単一の骨ではなく椎骨(ついこつ)という骨の集合体です。椎骨が縦に24コつながったモノが背骨なのです。この鎖のような構造が他の骨にはない背骨の大きな特徴です。

 背骨の鎖構造は”柔軟”で”丈夫”という相反する特徴をもっています。人の身体のなかで一番自由に動くだけでなく丈夫でもあるというすばらしい構造を背骨はもっているのです。この構造により、背骨には特別な役割が2つあります。

  • 神経を通すパイプとしての働き
  • 身体の支柱としての働き

 次にこれらの働きを詳しくみていきましょう。

神経を通すパイプとしての働き

 上の図をみてください。背骨の中がちょうどパイプのようになってるのがわかると思います。パイプの中を通っているのが脊髄(せきずい)です。脊髄は脳から出てくる神経の束。いわば脊髄は神経の幹(みき)といってもいいでしょう。

 もし脊髄が傷つくと身体に大きな影響を及ぼします。影響は脳に近い神経ほど大きくなるからです。全身の神経は脊髄から枝分かれして伸びたものです。神経の根元で傷を受けるとその枝先の全てに影響が及んでしまいます。ですから脳はあんなに硬い頭がい骨でおおわれているのです。

 しかし脊髄は脳とおかれている環境が違います。頭と違って背中は曲がったりねじれたりしないといけません。ですから脊髄は硬い骨でかこいこむわけにはいかないのです。つまり脊髄を守る事ができるのは”柔軟”で”丈夫”な背骨だけなのです。

身体の支柱の役割

 二本足で直立する事は人間の大きな特徴です。四本足で身体を支える他の動物と違って、手が自由になるので優位な点が多いのですが、”身体を支える”という点では人間の方が不利なのです。二本足だけで身体を支える為には、身体に強い支柱が必要となってしまいます。

 その支柱としての役割を担っているのが、背骨です。背骨の”丈夫”という性質がなければ、人間は二本足で直立する事はできなかったでしょう。

背骨のゆがみができると

 このように重要な働きをしている背骨。しかしその反面、背骨は身体の中でバランスを崩しやすい部分でもあります。背骨におけるバランスの崩れを”背骨のゆがみ”と言いましょう。背骨にゆがみができると全身にいろいろな障害がおこります。なぜなら解説した2つの機能がうまく働かなくなるからです。

神経の働きが悪くなる

 背骨は、神経の幹である脊髄のパイプの働きをしていると紹介しました。全身の神経は脊髄から枝分かれしたものです。枝分かれした神経は背骨の継ぎ目から背骨の外に出てきます。この神経の出口を椎間孔(ついかんこう)といいます。背骨のゆがみができると、この椎間孔の部分で神経を圧迫してしまう事があります。

 神経は圧迫されると、その先の神経に痛みや機能低下をひきおこします。例えば「坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)」も腰の背骨のゆがみからおこる事があるのです。

支柱の働きも悪くなる。

 もちろん、背骨のゆがみがおこると身体の支柱の役割も、うまく果たせなくなります。いわば大黒柱が曲がった家のようなもの。ゆがんだ柱では身体を支える事は困難です。それでも身体を支えないといけませんから、当然その負担は他の身体の部分にかかってしまいます。この事が腰痛や肩こりなどの身体の痛みの原因になるのです。

 あなたの痛みが左右どちらかだけに集中している場合、背骨のゆがみが原因である事が多々あります。

背骨の健康は全身の健康

 どうして、カイロプラクティックの先生が背骨を重要視するのか、おわかりいただけたでしょうか?

 背骨には”神経を通すパイプとしての働き”と”身体の支柱の働き”があり、その為、背骨にゆがみができると身体全身の問題になってしまうからなのです。

 ”まずは背骨から。“ これがカイロプラクティックにおける基本的な考え方です。


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