見た目にも悪いのも問題ですが、やはり体のゆがみの一番の問題は、様々な健康障害を引き起こす事でしょう。そこでここでは、体のゆがみがどのような症状を引き起こすのか解説していきます。
からだのバランスの崩れによる痛み
「体のゆがみ」によって引き起こされる代表的な症状は筋肉・関節などの筋骨格系の痛みです。そのしくみを簡単に解説しましょう。
身体を支えるには力が必要です。ただ座ったり立ったりしても、その姿勢を支える力が必要なのです。ですから、できるだけ最少の力で身体を支える事が必要となります。そこで重要になってくるのが身体のバランスです。
シーソを考えてみましょう。シーソは左右の重さと支点を安定させる事で最少の力で動く遊具です。これと同じような仕組みが身体にはあります。
背骨はシーソで例えれば中央の支点です。身体がゆがむと、支点の位置がずれてしまうのです。こうして身体に部分的な負担がかかり、痛みをひきおこします。典型的には肩こりですね。下図を参照にしてください。
その他にも考えられる症状を列記しましょう。
腰痛、肩こり、首の痛み、背中の痛み、膝の痛み、足のしびれなど
神経・血管の働きを妨げられる
神経痛とは、神経が圧迫される事で身体のどこかしらに痛みがおこる事です。体のゆがみは、この圧迫の原因になる事があります。
一つは、背骨周辺での神経圧迫です。全ての神経は背骨から外に出てきます。背骨がゆがむと、神経の出口部分が塞がったり狭くなったりして、神経の働きを阻害するのです。
もう一つは筋肉による圧迫です。神経は、筋肉のスキマにも存在ます。その為、筋肉が硬くなる事で神経を圧迫する事があるのです。代表的な例としては、首の筋肉のスキマにある神経が肩の筋肉に圧迫される事でおこる後頭部を中心にした頭痛です。
又、 足にしびれがあると、すぐに坐骨神経痛を考えますが、ふくらはぎの筋肉が神経を圧迫しているケースもある事は覚えておきましょう。
神経と同様に、血管も筋肉のスキマに存在します。筋肉が緊張して血管を圧迫すると、うっ血をおこし、痛みやしびれ、むくみなどの症状を引き起こします。特に頻繁に見られるのが肩周辺での血管の圧迫で、これにより腕にしびれをおきる事があります。
からだのゆがみによる神経・血管への影響により現れる症状の例をいくつかあげまておきましょう。
坐骨神経痛・足のしびれ・頭痛・うでのしびれ、冷え・ふくらはぎのしびれなど
自律神経の働きが妨げられる
身体の色々な働きを調整する神経、それが自律神経です。からだがゆがむと自律神経の働きが悪くなる事があります。
どうしてそうなるのか様々な説がありますが、はっきりとは解明されていません。
ただ、カイロプラクティック治療により自律神経の働きが変化する事は数々の研究で明らかになっています。私個人の臨床においても、胃弱、便秘、生理痛など特に消化器系、婦人科系の症状が改善する事は多々あります。
しかし、自律神経失調はその他にも色々な原因がありますから、体のゆがみは多くの原因の一つとして考えるのが適当だと思います。自立神経失調が原因でおこる、いくつかの症状を列記しておきます。
めまい・冷え・むくみ・便秘・ゲリ・胃弱・生理痛・不妊症など