世間には沢山のカイロプラクティック治療室があります。多くは問題ない治療室ですが、 中には専門的な知識を持ちあわせていない治療室もあります。
なぜ、このような事がおこるのでしょうか?
ここでは、日本におけるカイロプラクティック治療の実情と、正しいカイロプラクティック治療室を見分ける5つの条件を紹介します。
法整備のない日本のカイロ事情
実は、世界的に見ると日本のカイロプラクティックはかなり特殊な状況です。何故なら、日本にはカイロプラクティックの国家資格制度がないからです。
他の諸外国では国の資格制度があり、一定の教育を受けた人しか開業する事は出来ません。しかし、日本ではそのようなものがない為、極論を言えば誰でもカイロ治療室を開業できてしまうのです。これではおかしな治療室が乱立してしまうのもうなずけます。
実際、日本でカイロプラクティックを開業する人は、どういった勉強や経験を積んでいるのでしょうか?
私が知っているだけでも以下のパターンがあります。
- 海外のカイロ大学で学位を取得(学業期間4~6年程度)
- 私的教育機関を卒業(学業期間1~2年程度)
- 通信講座を受講(学業期間2~3ヶ程度)
- 単発セミナー受講(学業期間数日)
- 独学(学業期間なし)
このように、上は6年以上勉強された方から下はなにも知らない方まで、かなり極端な状態です。そして、このようなバラバラのスキルを持った人達が、まったく同じ条件でカイロプラクティックの看板を掲げているのですから、これはかなり異常な状況だといえます。
どちらにしても、日本でカイロプラクティック治療を受ける場合、こういった状況の中から正しいスキルをもった先生を選ばなければいけません。
そこでここでは、正しいカイロプラクティック治療室である為の、5つの条件を紹介する事にします。
条件1)基本的な教育基準を満たしているか
まず第一条件は、きちんとした教育を受けているかどうかです。国家資格のない日本では、その先生の受けた教育を一つの基準にするしかありません。
ちなみに、諸外国でカイロプラクティックの資格を取るために必要な教育基準は「四年生以上のカイロプラクティックを専門教育とする全日制の大学を卒業(授業数4000時間以上)」と定められています。
このように、世界的にはカイロプラクティックはかなり高い教育水準となっています。
以前は日本でこのような高度な教育を受けた先生は少数でしたが、最近はかなり増えてきました。ある程度の大きな都市でしたら、条件を満たした先生を見つけるのはさほど難しくないと思います。
治療室の目星をつけたなら、その治療室のホームページやチラシをチェックしましょう。正しい治療室なら先生のプロフィールが必ず記載されています。 そこに何らかのカイロプラクティックの大学を卒業されている事が記載されていれば、まず第一の条件はクリアと考えて良いでしょう。
条件2)高額な商品を売りつけたりしない
高額な商品を無理矢理売りつけたりしない、というのも大事な条件です。確かに症状によってはサプリメントや補助具を使うほうが良いと思われる状況もあります。しかし、数万円以上もする寝具やサプリメントがなければ治らないなどという事は絶対にありません。
カイロプラクティック治療は「手」で行う治療法であり、その他はあくまで補助するものですから、高額商品を押しつけてきたりする治療室は選択してはいけません。
条件3)誇大広告をしていない
「花粉症が治る」「ガンが治る」などの誇大広告には注意して下さい。カイロプラクティックの効果については多くの研究がなされています。「科学的に検証されている手技療法」である事がカイロプラクティックの大事なポリシーだからです。
カイロ治療の効果が明確に証明されているのは、主に筋骨格系の症状(筋肉の痛み・腰痛・肩こりなど)であり、それ以外の症状については、まだまだ検証不十分な状態なのです。ですから、ガンや内臓の疾患が「治る」というのは、明らかに誇大広告だと言えますので、注意が必要です。
条件4)検査と事前説明かしっかりしている
カイロプラクティックでは治療前にからだの状態を必ず検査します。そして、その結果を患者さんに詳しく説明します。検査も説明もなくただ治療するだけでは正しいカイロプラクティック治療とは言えません。
条件5)極度に負担の強い治療をしない
「背中を足で踏みつけたり、かなり強く骨を押されたりして、治療後、ずっと痛みがとれない」などのように、あまりにも負荷が強い治療を理由もなく連続して行う場合、そこは正しい治療室とは言えません。
通常、極度に強い刺激はカイロプラクティック治療では行いません。
カイロプラクティック治療でもっとも強い治療が関節を動かす(アジャストメント)ですが、これは力で行うものではなく、患者さんの身体のクセをうまく利用して行いますので、無理な負担がかかる事はほとんどないはずです。
5つの条件に合う治療室を探そう
以上、正しい治療室の選ぶ5つの条件を紹介しました。これ以外にも「セクハラまがいの事はしない」などもありますが、これらは当たり前の事ですし、現在ではほとんど見られませんので省きました。
これらの5つの条件に合っていれば、少なくともおかしな治療室に当たる確率はかなり少なくなると思います。是非、参考にしてみて下さい。