長時間ドライブの腰痛を防ぐ方法。乗車時の正しい座り方

姿勢エトセトラ
tora

はい、質問のお手紙が届いています。

mike

はいはい。

???

 仕事でほぼ一日中車を運転をしているせいか普段から腰痛に悩まされています。以前は仕事の終わり頃だけ痛みましたが、最近は常に痛むようになり、合わせて姿勢も悪くなったように感じています。このような場合の対処法はありませんか?

tora

車の運転時の腰痛についての質問です。これにも姿勢は関係してるの?

mike

大いに関係しています。解説していきましょう。

目 次

長時間ドライブで腰痛になる理由

 長時間ドライブをした後に腰痛になる原因は大きく2つあると考えられます。

 まず一つは単純に「疲労」です。

 これは立ち姿勢より座り姿勢の方が腰の負担が大きい事に起因しています。単純に考えると座っている時の方が負担は少ないと思われるかもしれませんが、実は関節にかかるストレスはむしろ強まっていて、立っている時より1.5倍ほど腰への負担は大きいと考えられています。

 その為、長時間運転すると腰にストレスが蓄積して、その結果として腰痛になってしまうというわけです。単純な話ですが、座っていなければ運転はできませんから避ける事のできない難しい問題です。

 そして疲労と並ぶもう一つの原因は、運転時の姿勢です。

 運転姿勢により腰にかかる負担は大きく異なります。

 例えば背すじを伸ばして運転しているのと腰を丸めて運転しているのでは、腰へのストレスが異なるのはイメージできると思います。特に慢性的で強い腰痛の場合、大抵は姿勢も悪い場合が多いのです。

 ですから正しい運転姿勢を知りそれを改めれば、少なくとも腰痛を軽減することは十分可能だと言えます。疲労は避ける事はできませんが、姿勢は少しの意識で改善する事ができるからです。

 

腰痛だけでなく姿勢も悪くなる運転姿勢

 正しい運転姿勢を解説する前に、まずは典型的に腰痛になりやすい運転姿勢を見ていきましょう。下図をご覧下さい。

典型的な悪い運転姿勢二種類
腰痛になりやすい運転姿勢

 図左は、頭を前に突き出して腰を丸めている運転姿勢。右は、シートをリクライニングさせ過ぎた運転姿勢です。これを見て自身に思い当たる方も多いのではないでしょうか。

 これらの運転姿勢は腰に大きな負担をかけるだけでなく、悪い姿勢、具体的には猫背になる原因にもなります。

 特に左の頭を突き出した姿勢は典型的な猫背の原因で、このサイトでは「頭つき出し姿勢」と呼んでいる姿勢です。一方右のリクライニングした姿勢は、さほど悪い運転姿勢に見えないかもしれません。しかし、図全体を少し時計方向に回転させて見ると印象が変わります。

悪い運転姿勢は背中が丸い
リクライニングした姿勢を少し時計方向に回転すると、肩が丸い事がわかる

 リクライニングした姿勢を時計方向に少し回転させたのが上の右図です。頭を前に突き出した姿勢と同様、肩の丸い事がおわかりになるでしょうか。

 よくわからない方は、図中の直線の交差する角度に注目しましょう。この角度は背中の丸まりの程度を示していてます。肩の丸い左の図と比べて角度に大きな違いのない事がわかります。つまり、両者は同程度に背中が丸いのです。

 当然、このように背中を丸めて長時間過ごせば、そのまま背中は固まり、いずれ猫背になってしまいます。

腰痛を防ぐ正しい運転姿勢

 ここまで解説したように、悪い姿勢で長時間運転していると腰痛だけでなく猫背にもなってしまいます。それを防ぐ為にも、正しい運転姿勢を身につけましょう。

正しい運転姿勢
正しい運転姿勢

 上図は、正しい運転姿勢の模式図です。基本的に机作業などの「正しい座り方」と同様の姿勢です。背すじが伸びていて、頭が胴体の真上に位置するのが特徴です。

 腰痛を防ぐ為の重要なポイントは、腰に適度な湾曲をつくることです。この湾曲には腰にかかるストレスを分散して腰痛を防ぐ効果があります。

 腰の湾曲を維持しつつ正しい姿勢で運転するには、いくつかのポイントを守る必要があります。ここでは特に重要となる三つのポイントを紹介しましょう。

  1. リクライニングはほどほどに
  2. お尻は深くしっかりと
  3. ヘッドレストから頭を離さないように

 それぞれ簡単に解説しましょう。

1.リクライニングはほどほどに


 まずは過剰なリクライニングは避ける事です。もちろん適度であれば問題ありませんが、リクライニングしすぎると、からだは反り返った状態になります。すると腰の湾曲も過剰になり、腰にかかるストレスは増加してしまいます。

お尻を前にずらして座る

 運転時はリクライニングは最小限にして、できるだけ胴体を直立な状態に保つようにしましょう。

2.お尻は深くしっかりと

 シートに対して浅い座り方をすると、どうしても腰は丸まってしまいます。腰が丸まれば、腰の湾曲は消失してストレスが増加してしまいます。

腰を丸めて座る

 腰が丸まるのを防ぐには、できるだけシートに深く座る事です。そうすることで背中がシートと密着して腰が丸まらなくなります。

 シートが柔らかかったりお尻が沈み込みやすい構造になっている場合は、背もたれやクッションなどを利用して、腰が丸まらないよう調整しましょう。

3.ヘッドレストから頭を離さないように

 運転中は周りを良く見ようとして、頭を前に突き出してしまいがちです。しかし頭が前に突き出ると、肩は丸まり、それに連動して腰も丸まった状態になります。

 こうなるのを防ぐには、ヘッドレストから頭を離さないように意識するのが有効です。これには腰痛を防ぐだけでなく他にも多様な効果があります。例えば肩の筋肉の力が抜けるので肩こりを防ぐ事ができます。又、万が一事故がおきた時の「むち打ち」の予防にもなります。まさに一石三鳥なのです。

すでに悪い姿勢の方は正しい運転姿勢が苦手

 以上、正しい運転姿勢をする為の三つのポイントを紹介しました。これらは簡単であるだけでなく、少し意識しただけで出来ますので、ぜひ挑戦してみましょう。

 しかしチャレンジした人の中には、うまく出来なかったり、逆に心地悪く感じてしまう方もいらっしゃると思います。そういった方はすでに悪い姿勢なのかもしれません。

 実はすでに姿勢が悪いと、硬い背中が邪魔をして、正しい運転姿勢そのものを出来なくなるのです。

 そのような場合、まずは姿勢矯正にチャレンジしてみましよう。そうして背中が柔らかくなれば、無理なく正しい運転姿勢をとれるようになるはずです。

まとめ

mike

ここまで運転時の腰痛と姿勢との関係について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

tora

普通に運転してても腰が痛くなるのに、悪い姿勢だとさらに痛みがひどくなるだけでく猫背にもなるという事だね?

mike

そういう事です。記事でも解説しましたが、長時間運転が原因で猫背になる方は意外に多くいらっしいます。ですから姿勢を気にしている方は、運転時にも注意される事をお勧めします。

 最後にポイントをまとめます。

  • 長時間運転の腰痛の主な原因は「疲労」と「悪い運転姿勢」。
  • 悪い姿勢で運転していると、腰痛になるだけでなく猫背にもなってしまう。
  • 運転時の悪い姿勢を防ぐには、1.リクライニングはほどほどにすること、2.深くすわること、3.ヘッドレストから頭を離さないように意識すること、の三つのポイントを守る事が大事。
  • すでに悪い姿勢である場合は、正しい運転姿勢ができない場合がよくある。その場合は姿勢矯正をしよう。
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