悪い姿勢になとる足を組むクセがつく。「足を組む」クセの改善方法。

　この質問者の方と同様、座り仕事をしているといつの間にか足を組んでしまうという方は、かなり多くいらっゃるのではないでしょうか。そういった人のな中には、足を組むクセをやめようと努力した事のある方もいるかもしれません。

　しかし、足を組むクセを直接改善するのは困難な事だと思います。何故なら足を組んでしまうのは、そうせざるえない原因が別にあり、その為に「しかたなく」しているという側面が強いからです。

　では、その大元の原因とはなんでしょう。それは「悪い姿勢」と「からだのゆがみ」なのです。そこでここでは足を組みたくなるその仕組みと、その改善方法を紹介していきましょう。

悪い姿勢になると足を組みたくなる。

　多くの場合、悪い姿勢になると足を組まざるえない状況になります。ここでは猫背を例に解説します。猫背の方は背中が丸い為にそのまま座ると姿勢が安定しません。そこで自然に骨盤を後ろに傾けて座るようになります。そうする事で安定して座る事ができるようになるからです。

　上図は猫背の人の典型的な座り姿勢を示しています。骨盤が後ろに傾いていて、いわゆる「丸まった腰」状態になっている事がわかります。

　このように骨盤が後ろに傾くと、本来お尻の中心にあるはずの重心が背中側にずれてしまいます。(図中の赤い垂直線が重心位置)。こうなると手元に力が入りずらくなり、作業効率が下がってしまいます。

　この状態を簡単に解決する方法が「足を組む」事です。

　上図は、足を組む事による骨盤の動きを示した模式図です。実は「足を組む」という動作の本質は、足の動きに連動させて骨盤も動かす事にあります。図を見てわかるように、足を組む事で骨盤は前に傾くように動く事がわかります。その結果、再び重心が安定して作業が効率的に行えるようになるのです。

　つまり、悪い姿勢になると足を組むクセがつくのは、後ろに下がった重心を再び正常に戻す為なのです。

足を組むと骨盤のゆがみが正常化する。

　からだのゆがみも足を組まざるえなくなる原因の一つです。「からだのゆがみ」とは「からだがねじれたり傾いたりして、バランスの崩れている状態」を意味します。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

　からだがゆがむと、多くの場合骨盤は傾いた状態になり高さが不均一になります。そのまま座ると座面が傾くために安定して座る事ができません。(下図参照)。

　この状態を簡単に改善するのが、またもや「足を組む」事です。

　足を組むと組んだ側の骨盤が起点となって前方に回転します。つまり下がっている側の足を上にして組む事で骨盤の高さが均一化され、座面を平行に戻す事ができるのです。

　このように、一般的には「足を組むとからだがゆがむ」と考えられていますが、実際はその逆で、すでにからだがゆがみでいる為に、足を組まざるえなくなっている場合がほとんどなのです。

足を組むクセの改善方法

　以上、足を組むようになる根本的な原因を二つ紹介しました。

　このように見ていくと、足を組むのは不安定になったからだを安定させる為であり、いわゆる「必要悪」である事がわかります。

　ですから足を組むクセだけを改善しようとするのは困難であるだけでなく、無理すれば座り姿勢が安定しない為に腰痛などの別の問題が引き起こされかねません。

　もちろん、足を組むのが「からだに良い」という分けではありません。あくまで手っ取り早いバランスの修正動作であって、長期的にみれば、悪い姿勢やゆがみを逆に悪化させる原因にもなります。

　このような事から、足を組むクセを改善する最良の方法は、少し遠回りに思えても、根本原因である「悪い姿勢」と「からだのゆがみ」を先に改善する事だと言えるのです。

まとめ

　最後にポイントをまとめます。