ここでは姿勢矯正によるダイエット効果について紹介します。
姿勢矯正をすると痩せて見えるようになるという話は以前聞いたね。でもこれは見た目だけの話で、ダイエットとは関係ない話だった思うけど。
ここでは見た目の話ではなく、姿勢矯正による体重減少の効果について解説したいと思います。
あー、それはおもしろうだね。
それでは解説していきましょう。
姿勢矯正をすると痩せやすくなる
姿勢矯正をすると痩せて見えるようになる事は、以前の記事でも紹介しました。
上の写真をみてください。これは同一人物の矯正前と矯正後を比較したものです。それぞれのお腹に注目してみましょう。左の矯正前の写真では下腹がぼっこりしていますが、右の矯正後の写真ではお腹は締まった状態で、一見すると痩せたように見えます。
しかしこれは姿勢矯正をした事により体形が変化した事が主な要因で、体重が減少したわけではありません。
このように「痩せて見えるようになる」事が主な姿勢矯正によるダイエット効果なのですが、実は長期的に見ると体重が減少する効果もあります。
次は、そうなる理由を詳しく解説していきましょう。
矯正をすると痩せやすくなる理由
姿勢矯正をすると痩せやすくなるのは、そもそも悪い姿勢になると太りやすい体質になるからです。
悪い姿勢には共通の変形があります。それが全身の反り返りです。
上図は全身の反り返り変形を模式的に示しています。全身の反り返りは、猫背を含めた全ての悪い姿勢に見られる共通の変形です。右の反り返った状態を見ると、お腹が前に突き出ている事がわかります。
このように突き出たお腹は太って見える原因でもあるのですが、同時に腹筋と背筋のバランスを崩す原因にもなっています。
上図は全身が反り返る事で腹筋と背筋のバランスがどのように変化するのかを示しています。
図を見ると、右の正しい姿勢ではお腹と背中の筋肉がバランスよく働いていますが、左の反り返った姿勢では、背筋が上下に縮められて緊張状態になっています。一方、お腹は弛緩して力が抜けている事もわかります。
このように腹筋が弛緩すると、日常的にほとんど腹筋は働かなくなります。その為に代謝が低下して、お腹に脂肪が蓄積しやすい状態になるのです。
上の写真は、全身の反り返りと肥満が合わさった典型的な実例です。体が反りかえった事で骨盤が前傾して、下腹部が弛緩した状態になり、脂肪が蓄積して肥満している事がわかります。
上の写真でお腹以外に目立って脂肪の蓄積がない点にも注目してください。もちろんこのような状態になる原因は他にも考えられますが、その中でも悪い姿勢は大きな原因になりやすいのです。
このような悪い姿勢により太ったお腹は、姿勢矯正をすると代謝が改善(正常化)されて、徐々に痩せて元の状態に戻っていきます。
実際に私の治療室でも、姿勢矯正後に下腹部の脂肪がとれたという話はよく聞かれる事です。
矯正をすると下半身も痩せやすくなる
悪い姿勢なると太りやすくなるのはお腹周りだけではありません。下半身も太りやすくなります。
実はそうなる原因も、先ほど紹介した「全身の反り返り」と関係しています。
上図は、全身の反り返りによる下半身の筋肉のバランスの変化を示しています。
先ほど解説したように、全身が反り返ると腹筋の働きは弱まります。するとそれを肩代わりするように、太ももの外側の筋肉が働くようになります。又、前に傾いたからだを支える為にふくらはぎの筋肉も緊張するようになります。
このような状態が長期化すると、ふとももの外側の筋肉が発達して足が太くなります。又、ふくらはぎの緊張は下半身の循環を低下させて、下半身全体を太りやすい状態にするのです。
このような下半身のアンバランスも姿勢矯正をする事で改善されます。その結果、ふとももを中心に痩せやすくなるのです。
まとめ
以上、姿勢矯正をすると痩せやすくなる理由を解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
長期的にみれば痩せやすくなるということだね。でも直接ダイエットをする方が手っ取り早くて効率的じゃない?
確かにそうとも言えますね。でも悪い姿勢のままダイエットをすると、体重は減ったけれども、お腹と下半身は太ったままという場合もよくあります。
ですから一番良いのは、ダイエットと姿勢矯正を合わせて行う事ですね。
姿勢矯正をしてバランスよく痩せやすい体質をつくりながら、ダイエットもするとより効果的という事だね。
- 姿勢矯正をすると、長期的にみて痩せやすい状態になる。
- 悪い姿勢になると筋肉の働きのバランスが変化して、特に下半身とお腹周りに脂肪がつきやすくなる事がその理由。