悪い姿勢には三種類あって、それぞれ形がちがうんだよね。
はい、その通りです。詳しくは下の記事を参考にしてください。
という事は、姿勢矯正の為のエクササイズは悪い姿勢によって異なるの?
いえ、どの悪い姿勢でも同じで、以下で紹介しているエクササイズで矯正できます。
同じエクササイズで良い理由は、悪い姿勢には共通の変形があるからです。
悪い姿勢の共通点
悪い姿勢は猫背・胸つき出し姿勢・腰つき出し姿勢の三つに大まかに分類する事ができます。これらはそれぞれ形に特徴があり、矯正のポイントも異なります。
その為、厳密にいえば必要になるエクササイズも異なるのですが、実際は、こちらで紹介しているエクササイズを行えば、どのような悪い姿勢でもある程度なら矯正できてしまいます。それが可能な理由は、全ての悪い姿勢に共通の変形があるからなのです。
下の図をご覧ください。図は、三つの悪い姿勢のかたちを模式的に示したものです(一番左は正しい姿勢)。
図の赤線はからだの中心を示しています。さて、どこに共通点があるかわかりますか?
腰部分の色のついた部位に注目してください。一番左の正しい姿勢ではからだの中央にしっかり線が通っています。しかし右3つの悪い姿勢では、線は中央ではなく、背中よりにずれた位置を通っている事がわかります。このずれは、からだ全体が反り返っている事を示しています。
この全身の”反り返り”こそ、全ての悪い姿勢の原型とも言うべき共通の変形です。
この”反り返り”変形は二次的な変形である場合もありますし、変形の起源である場合もありますが、すべての悪い姿勢において重要な矯正ポイントである事は間違いありません。
次は、この”反り返り”を変形の起源として考えると、それぞれの悪い姿勢がどのように見えてくるのかを解説しましよう。
猫背はバランス回復の為の二次変形
まずは猫背姿勢を考えてみます。猫背は丸い背中が主な変形ですが、ここでは仮定として、反り返りの変形が最初に起きたとしましょう。すると、下図左のような姿勢になるはずです。
図を見てわかるように、からだが反り返った事で目線は上を向いてからだは後ろに傾むき、明らかにバランスの崩れた状態になっている事がわかります。
このようなアンバランスを回復させる為には、背中を丸めて頭の重心を前に移動させるしかありません(上図右)。すると結果として背中が丸く猫背になる事が図からわかります。
このように反り返りの変形を基準として考えれば、崩れたバランスを安定させる為に背中を丸めた結果が猫背姿勢だと考える事ができます。そして実際、このようなケースで猫背になる方も少なからずいらっしゃるのです。
胸つき出し姿勢は胸を中心に反り返り
胸を張ったまま固まった姿勢、それが胸つき出し姿勢です。胸を張るという動作は言い換えると「胸を中心に背中を反らす動作」とも言えます(下図参照)。
つまり、反り返りの中心点が胸にあるのが、胸つき出し姿勢なのです。
腰つき出し姿勢は腰を中心に反り返り
さて、ここまで読めば、腰つき出し姿勢については想像できると思います。つまり、反り返りの中心点が腰にあるのが腰つき出し姿勢なのです。
他と異なる点があるとすれば、反り返りの程度が強いという点です。その為、頂点となる腰に強い負担がかかり、腰痛になる主要な原因になっています。
矯正の基本は、”反り返り”を矯正する事
さて、これでエクササイズが共通である理由がわかりましたか?
つまり、姿勢矯正エクササイズには、からだの反り返りを矯正する効果があるってこと?
そういう事です!
悪い姿勢共通の変形が、”反り返り”だという事実は、姿勢矯正をしようと考えている方には是非覚えておいてもらいたいポイントです。何故なら、反り返りを矯正しているという意識がないと、元の悪い姿勢に戻りやすいからです。
まとめ
最後にまとめます。
- からだの反り返りは、悪い姿勢共通の変形。
- 矯正エクササイズには、体の反り返りを矯正する効果がある。
- からだが反り返っている事を意識していないと、悪い姿勢に戻りやすい。