顔がゆがむ原因は悪い姿勢? 姿勢と「顔のゆがみ」の関係。

　「顔のゆがみ」とは、顔が傾いたり顔の骨格に左右差のある状態の事で、美容の問題として近年特に注目されています。

　顔にゆがみが生じる原因は様々です。そして、その中の原因の一つとして、悪い姿勢があります。特にアゴ周りの骨格のズレと、顔全体の傾きが目立つ場合、悪い姿勢が原因である場合がよくあるのです。

　そこでここでは、悪い姿勢がどのように顔のゆがみをつくるのかを中心に解説していきましょう。

猫背になると顔がゆがむ原因

　悪い姿勢の中でも特に顔のゆがみの原因となりやすい姿勢は「猫背」です。その理由を解説していきましょう。

　猫背は背中が丸く変形する姿勢ですが、主に変形するのは首から肩にかけてです。

　上図は、猫背の主な変形である「首から肩が丸くなる変形」を示した図です。左が正しい姿勢、右が首から肩が丸く変形した状態です。

　図中のアゴから伸びる矢印に注目してください。この矢印はアゴ周辺から鎖骨に伸びる筋肉の伸びる方向を示しています。左の正しい姿勢の場合は、矢印は顎から真下に伸びていますが、右の猫背は肩が丸まった事で、伸びる方向が内側に傾いている事がわかります。

　このように筋肉の作用する方向がずれると、筋肉はうまく収縮できなくなりバランスが崩れてきます。その結果、顔のゆがみができてしまう場合がよくあるのです。

　猫背による顔のゆがみには、以下の二つがよく見られます。

　アゴ下の筋力のバランスが崩れると、アゴを下げる力に左右差が生じて顔全体が傾くようになります。合わせて筋肉の発達に左右差もできますから、アゴ周りの骨格にも左右差が生じてきます。

　特に「顔全体の傾き」は、猫背になるとほぼ必ず現れる顔のゆがみです。その為、姿勢矯正をすると顔の傾きも合わせて改善する場合が多いのです。

顔がゆがむ意外な三つの原因

　ここまで猫背になると顔がゆがむ仕組みを解説しました。とはいえ顔のゆがむ原因は悪い姿勢だけではありません。原因が直接顔にある場合もありますが、一見すると無関係に思える原因もあります。

　ここでは補足として、あまり知られていない顔のゆがむ原因をいくつか紹介しておきましょう。

利目(ききめ)によるゆがみ

　利目とは、「ものを見るときに主体となる左右どちらかの目」の事です。顔のゆがみに利目は深く関与しています。

　多くの生物には頭の位置を優先的に安定させようとする働きが備わっています。これは目や耳などの感覚器官が頭に集中している為、頭がぶれると精度の高い動作ができないからです。

　特に人間の場合は視覚への依存度が強すぎる為、「利目(ききめ)」をからだの中央にずらす(利目の反対側に顔を傾ける)クセがつく場合があり、その結果、顔がゆがんでしまう場合がよくあります。

　詳しくは以下の記事で解説していますので、よろしければご覧ください。

顎関節の問題によるゆがみ

　かみ合わせなどが悪く、いつも左右どちらか一方の歯でものを食べていると、顎周りの筋肉の発達に左右差が生じてきます。口を開ける筋肉は側頭部全体に広がっている為、顔のゆがむ原因になる場合がよくあります。

利き手によるゆがみ

　大抵の人は利き手側の筋力が強く、そうでない側の筋力は弱いのが普通です。つまりほとんどの人は腕の筋力に左右差があるのです。

　この腕の筋力の左右差は、身体全体を回転させるよう作用します。からだが回転すれば頭も回転してしまいますから、正面を見る為にはその反対側に頭は回転させる必要がでてきます。その結果、自然に顔がゆがんでしまう場合がよくあるのです。

まとめ

　最後にポイントをまとめます。