最近、少し太りぎみなんだけど、ちょっと気になる事があって。
なんでしょう?
太ったら、より猫背になった気がするんだけど。
確かに太ると猫背になる傾向はありますね。
え? やっぱり?
肥満と姿勢との間には、実は深い関係性があります。太ってお腹が出てくると、猫背になる傾向があるのです。
とは言え、少しばかりお腹が目立つ程度であるならば、そこまで心配する必要はありません。姿勢に影響が出はじめるのは、お腹周りが大きく目立つような肥満になってからです。
ではどうして太ると悪い姿勢になりやすいのでしょうか。ここでは肥満と姿勢との関係について紹介します。
太ると悪い姿勢になる仕組み
まずは、太ると悪い姿勢になる仕組みを紹介しましよう。
太ると悪い姿勢になる原因は、太ったお腹がからだの「重り」として作用するからです。
例えばバランスの安定しているシーソーの一方に「重り」を乗せたらどうなるでしょうか。当然、シーソーは傾く事になります。これと同じ事がからだに起こるのです。
それでは肥満したお腹が姿勢を変化させる典型的な過程を見ていきましょう。
上図は、太ったお腹が「からだの重り」になっている状態を示した模式図です。
お腹に描かれたシーソーは胴体のバランスを模式的に示しています。垂直の波線はからだの中心を示していて、シーソーの支点の位置と重なります。
図を見ると、お腹側が太った分だけシーソーの腕が長くなっている事がわかると思います。その為、支点の位置が背中側にずれています。このままではテコの原理により、お腹側にシーソーが傾いてしまうでしょう。
このような状態を安定させるには、支点の位置をずらす事が簡単です。つまり、お腹を前に突き出し腰を反らす事で、支点(からだの中心)をシーソー中央にずらすのです(下図)。
しかし、上図のように体を反らせば、今度は上半身のバランスが崩れる事になります。
上図は、太ったお腹を安定させる為に体を反り返らせた状態を示しています。このままでは頭が上を向いてしまい前を見れないだけでなく、上半身が後ろに傾いて背中側に倒れてしまいます。
ここから再度バランスを安定させる為には、上半身の重心を前に移動させなければいけません。そこで背中を丸めて猫背になる必要がでてくるのです(下図)。
この「肥満→反り腰→背中が丸くなる」という一連の流れは、個別に進行するわれではなく同時進行します。その結果、お腹が大きくなるにつれて猫背になってしまうのです。
ダイエットは姿勢矯正と合わせて行うと合理的
以上、太ると猫背になる仕組みについて解説しました。
つまり太っている人は、姿勢矯正をする前にダイエットをするのが効率的という事なのかな?
それでも良いですが、一番効率的なのは、矯正とダイエットを同時に行う事です。
以上解説したように、肥満と姿勢は相互に深く関連しています。ですから肥満している人は、効率よく姿勢矯正をする為にも、ダイエットもするのがお勧めです。
では、矯正とダイエットのどちらを優先して行うのが効率的なのでしょうか。
これは難しい問題です。悪い姿勢になると筋力バランスが変化して太りやすい体質になるからです。その為、効率よくダイエットするには先に姿勢矯正をした方が良いのですが、解説したように肥満は悪い姿勢の原因でもありますから、先にダイエットをした方が効率が良いとも考えられます。
そこで、どちらか一方を優先するのではなく、ダイエットと姿勢矯正を同時に行うのがお勧めです。
ダイエットと姿勢矯正を合わせて行う事で、痩せやすい体質になりながら姿勢矯正もしやすい状態になり、相互に良い影響を与えてより効率的だからです。
まとめ
以上、肥満と姿勢との関係について解説しましたがいかがでしたでしょうか。
僕はとりあえず食べ過ぎをやめて、これ以上太らないようにするよ。
できれば合わせて姿勢矯正もしましょうね。
最後にポイントをまとめます。
- 太ってお腹が出てくると、からだのバランスが崩れて、猫背になる傾向がある。
- 猫背で太っている人は、ダイエットと姿勢矯正を同時に行うのがお勧め。