ここでは、猫背の原因となる典型的な生活習慣を紹介します。
だらしなく座る習慣が僕の猫背の原因かも。
確かにそれも原因の一つですね。
悪い姿勢になる原因は、多くの場合日常の生活習慣に隠されています。無意識に行っている習慣は、自分ではなかなか気付く事はありません。その為、いつのまにか悪い姿勢になってしまうのです。
そこでここでは、自分では気づきにくい猫背の原因となる5つの生活習慣を具体的に紹介していきましょう。
肩を丸めて座る習慣
まずは一番多く見られる原因からです。ズバリそれは、下のような肩を丸めて座る習慣です。
うわー、いつも僕がしている座り方だ・・・
猫背の原因として一番多く見られるのが「肩を丸めて座る」習慣です。
同様に「腰を丸めて座る」習慣も同じくらい見られます。これは足を組むクセのある人に多い座り方です。
両者に共通しているのが「突き出た頭と丸まった肩」の変形で、これは猫背の典型的な原因になります。
このような座り方が習慣化してしまう原因は、多くの人のもつ対象物に顔を近づけようとするクセが基礎としてあります。
人間を含む多くの生物には、感覚器官を情報源に近づけようとする本能のような性質があります。 例えば犬の場合、興味のある物体があれば、最重要の感覚器官である鼻から対象物に近づいていきます。
そして人間の場合、最重要の感覚器官は「目」です。
ですから多くの人は、頭を前に突き出し肩を丸めて、目から対象物に近づこうとするクセがつきやすいのです。
肩を丸めて座る習慣を持つ人には以下のような特徴があります。
- 足を組まないと座り姿勢が安定しない。
- つま先を立て膝を深く曲げて座らないと座り姿勢が安定しない。
- 肩こり・頭痛がある。目が疲れやすい。
上の項目に複数当てはまる方は、今一度自分の座り方をチェックしてみましよう。
なるほど。でもこれはどうやって注意すればいいのかな?
作業に集中している時は姿勢の事なんて忘れてしまうもんね。
背中を丸めるクセのある方には、ほとんどの場合膝を曲げて座るクセも合わせもっています。
そこで、できるだけ椅子に深く座り膝を伸ばして座るよう意識すると、背中を丸まる事を防ぐ事ができます(下図参照)。
足だけなら作業に集中しても意識できるね。みんなもやってみよう!
お尻を前にずらして座る習慣
続いて多いのが、お尻を前にずらして座る習慣です。
あー、これはソファでテレビを見る時なんかによくしてるかも。
車でシートを深くリクライニングするクセのある方もこの姿勢になっています。
背もたれにからだをあずけてお尻を前にずらす座り方も、猫背の原因となる典型的な生活習慣です。下はその模式図です。
しかし、図を見ても背中は丸く見えませんから、なぜ猫背になるのか不思議に思う方もいるかもしれません。
しかし図をよく見ると、「お尻を前にずらす座り方」も丸い背中になっている事がわかります。
下の図をご覧ください。
上図左は肩を丸めた座り方、右は腰を前にずらした座り方です。図中の赤線は背中を形をわかりやすく示しています。
赤線の形をみると、同じ「く」の字をしている事がわかるでしょうか。わかりやすいように、腰をずらした座り方の図を少し時計回りに回転させてみましょう。
このように、両者ともに背中はくの字に折れ曲がって丸くなっている状態です。つまり、お尻を前にずらす座り方も、肩を丸める座り方と同様、猫背の大きな原因になるのです。
腰を前にずらして座る習慣のある方には以下のような特徴があります。
- 自動車に乗る時、シートをリクライニングしないと安定して座れない。
- 背もたれのない椅子が苦手。
- 電車に座る時、他の人より足が前に出てしまう。
- 肩こり・腰痛がある。
この座り方も僕やってるよ。
肩を丸めないように座ろうとした結果、お尻を前にずらす座り方に変化しただけという場合もよく見られます。
スマートフォンを肩を丸めて操作する習慣
ここからは座り方以外の生活習慣もみていきましょう。
まずはスマートフォンを肩を丸めて操作する習慣です。
あー、確かに街中でもよく見るよ。こう見るとおもいっきり背中が丸まってるね。
スマートフォンの使い方が原因で猫背になる方が近年増加しています。
画面をよく見ようとして、のぞきこむように頭をスマホに近づけている方をよく見ますが、これは上図のように肩を丸めた姿勢で、やはり猫背になる典型的な原因となります。
以下の記事で詳しくは紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
スマートフォンを肩を丸めて操作する習慣がある方のチェックポイントは以下のようになります。
- スマートフォンを使うと、すぐに肩がこる。
- 気づくとスマートフォンにものすごく顔が接近している。
頭を高くして仰向けになる習慣
次に寝ている姿勢でよくみられる習慣です。下の図をみてください。
あー、寝転がってスマホを見ている時とかにしている姿勢だね。
上図のように、頭をクッションにあずけて横に寝る習慣も、猫背になる典型的な習慣の一つです。
上図をみていただくと、これまでと同様に肩が丸まっている事がよくわかると思います。リラックスして横になる時は、横向きの姿勢がお勧めです。肩も丸らずに、腰の負担も少ないからです。
- 就寝時は仰向けで寝るのが苦手。
- 就寝時のまくらは高めでないと安定しない。
- ごろ寝をしながらスマートフォンを使う場合が多い。
壁に背を預けて立つ習慣
次は下の図のように壁にからだをあずけて立つ習慣です。
電車とかでたまに見るかもしれないね。
上図のように、壁に背中を預けて立っている方をたまに目にしますが、これも典型的な猫背になる原因です。これと同様の習慣として、お腹を前に突き出して立つクセもあります。
背中に注目すると、両者ともに丸くなっている事がわかります。
このような立ち方の習慣が身につく主な原因は、体幹の筋力が弱い事にあります。
立ち姿勢を維持するには、背筋と腹筋を含めた体幹の筋肉が適切に働く必要があります。しかし体幹の筋力が弱いと、腰骨に体重をあずけようとしてお腹を前に出す(全身を反り返らせる)習慣が自然に身についてしまうのです。
この習慣のある人は以下のような傾向があります。
- 立ち作業をしていると、いつのまにかお腹が作業台に密着している。
- 立ち姿勢をすると体重が踵(かかと)に乗っている。
- 長時間立っている事が苦手で、腰がすぐ痛くなったり、ふくらはぎが疲れやすい。
- 体重より太ってみられやすい。
まとめ
以上、よく見られる猫背になる5つの生活習慣を紹介しました。
こういう習慣って他人のはわかるけど、自分についてはわからないよね。
そうなんです。ですから、指摘したポイントをよく見て、当てはまる項目が多いなら、身近な人に直接聞いて確認するとよいですね。
最後にポイントをまとめます。
- 猫背になる主な原因は、無意識に行っている日常の生活習慣にある。
- 背中を丸めて座ったり、お尻を前にずらす座り方は典型的な猫背の原因。
- スマートフォンをしてしいる時に肩が丸まっていないか注意。
- 仰向けに寝ながらマートフォンをするクセのある人は要注意。
- だらしなく立つクセも猫背になる大きな原因。