質問のお手紙がきていますよ。
はいはい。
鏡を見た時にからだがゆがんで見える事を気にしています。
今までカイロプラクティックを含めていろいろな施術を受けて改善を試みましたが、完全には治らず悩んでいました。
そして最近、姿勢の悪い事にも気付きました。このような場合、どちらを優先して改善した方がよいのでしょうか。
からだのゆがみと姿勢のどちらを優先して改善した方がよいのかという質問ですね。
で、どっちなの?
姿勢矯正を優先した方が合理的ですね。その理由を解説していきましょう。
姿勢矯正を優先すべき三つの理由
「からだのゆがみ」とはからだの左右または前後のバランスが均一ではない状態を意味する言葉です。例えば「頭が傾いている」「一方の肩が上がって見える」「一方の足が短い」などはよく聞かれる話です。
実は悪い姿勢もからだの前後バランスの崩れですから「からだのゆがみ」の一種とも言えます。しかし、ここでは分けて考えましょう。
からだのゆがみは健康な人でもありますから、あまり神経質になる必要はありません。しかし明らかに目立つようであれば、身体に悪影響を及ぼす場合もありますから、できるだけ速やかに改善した方が良いのは確かです。
一方、悪い姿勢も時間とともに悪化していきますから、早めに矯正した方が良いのは言うまでもありません。
ではこの質問者の方のように、からだのゆがみと悪い姿勢が併発している場合、どちらを優先して矯正すべきなのでしょうか。
実はそのようなケースは珍しくないばかりか多数派を占めます。ですから、どちらを優先して改善したらよいかと悩まれれている方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと、より優先して改善した方が良いのは、悪い姿勢です。
ここでは、その理由を三つ、紹介していきましょう。
理由1:悪い姿勢はゆがみを強める
からだのゆがむ原因は様々です。左右差の大きい習慣的な動作、だらしのない座り方など。しかし、こういった直接的なもの以外にも、ゆがみを強める原因があります。
実は、それが悪い姿勢なのです。
姿勢の変形が強い部位、猫背であれば丸い背中の頂点部分などは、からだのゆがみが強まる傾向があります。(※その仕組みはこちらで解説しています)。
つまり、からだのゆがみを先に改善しても、悪い姿勢のままならば再度ゆがんでしまう可能性が高いのです。
理由2:悪い姿勢はからだの負担が強い
からだのゆがみも悪い姿勢もからだのストレスを強めて体調を崩す原因になる事に違いありません。しかし、ストレスを強める仕組みは大きく異なります。
からだのゆがみはストレスを左右一方にかたよらせます。ですから「右側の腰だけ痛い」とか「左肩だけこる」のように、からだの左右一方だけに症状が現れるのです。その一方、悪い姿勢は全身にかかるストレスそのものを増強します。
つまり、ストレスを一点に集中させて症状を発症させるからだのゆがみより、ストレスそのものを増悪させる悪い姿勢の方が、からだの問題として大きいのです。
このような事から、姿勢矯正をして全身にかかるストレスを減少させた後に、ゆがみを改善してストレスを分散させる方が合理的である事がわかります。
理由3:姿勢矯正するとゆがみも改善する
理由1で解説したように、悪い姿勢はからだのゆがみを強める原因の一つでもあります。
言い換えれば、姿勢を矯正しただけでからだのゆがみも自然に改善されるという事です。
実際私の治療室でも、姿勢矯正が半分程度まで進めば、ゆがみも半分程度は自然に改善される場合がほとんどなのです。
まとめ
以上、姿勢矯正を優先した方が良い3つの理由を紹介しました。
とれあえず先に姿勢矯正をすれば、ある程度ゆがみも矯正されるんだね。
その通りです。そしてその後に残ったゆがみが気になるならば、その時、ゆがみの矯正を行うのが一番合理的だと言えます。
なるほど。
最後にポイントのまとめです。
- からだのゆがみの矯正より姿勢矯正を優先させた方が合理的。
- 悪い姿勢はからだのゆがみを強める傾向がある。
- 悪い姿勢はからだのストレスを増強させる働きが強い。
- 姿勢矯正をすれば、半分程度は自然にゆがみも矯正される。