靴底の減りやすさと姿勢との関係

姿勢エトセトラ
tora

質問のお手紙が届いていますよ。

mike

はいはい。

???

 普通に歩いているだけで靴底がすぐに減ってしまいます。
 歩き方の悪い事が原因だと考えていたのですが、家族から猫背が原因ではないかと指摘されました。
 実際、姿勢が悪いと靴底も減りやすくなるのでしょうか。

tora

ぼくも、歩いているとかかとの外側ばかりが削れるんだけど。

mike

それではお答えしていきましょう。

目 次

悪い姿勢になると靴底が減りやすくなる

 悪い姿勢になると靴底が減りやすくなる傾向は確かにあります。とはいえ、原因は悪い姿勢だけではなく、例えば歩き方のクセも大きな原因の一つです。

 しかし、歩き方などの他の原因に心当たりがなく、さらに見た目に悪い姿勢であるならば、靴底の減りやすい原因は悪い姿勢である可能性は高いと言っていいでしょう。

 悪い姿勢になると靴底が減りやすくなるのは、悪い姿勢になるとからだの重心が後ろに傾くからです。

悪い姿勢になると重心が後ろに傾く

 上の図は、正しい姿勢と悪い姿勢の模式図です。図中の垂直線は、体重の通り道を示しています。

 図を見ると、正しい姿勢の重心は足のくるぶし付近にありますが、右の悪い姿勢はかかと付近まで重心が下がっている事がわかります。

 このように重心が後ろに傾くのは、悪い姿勢になるとからだが反り返る事が原因です。

 からだが反り返ると、上半身は後ろに傾いた状態になります(上図右参照)。すると上半身の重さが背中側にかたより、その結果として重心も傾いてしまうのです。上図は猫背ですが、どのような悪い姿勢であっても同様の事がおこります。

全身の反り返り
悪い姿勢共通の変形、全身の反り返り。

 このように重心が後ろに傾くと、歩いている時に足首がうまく動かせなくなります。

 イメージのつかめない方は、実際にからだをのけぞらせて歩いてみるとよいでしょう。重心が後ろに下がっている為に足首をうまくコントロールできない事がすぐに分かるはずです。

悪い姿勢の歩行
悪い姿勢になると重心が後ろに傾いて足首がうまく動かせない

 通常、歩いている時の重心は足の中心より少し前にあり、そのおかげでスムーズに足首が進行方向に動くようになっているのです。

歩行・走行時はからだが前に傾く
通常、歩行・走行時は重心は足の前方に位置する。

 そして、足首がうまく動かなければ、当然地面に足を擦りやすくなり、結果として靴底は減ってしまうというわけです。

靴底の減る部位で、その原因がわかる

 

mike

以上、悪い姿勢になると靴底が減りやすくなる仕組みを解説しました。

tora

じゃあ、僕の靴底の減りやすい原因は、やはり悪い姿勢なんだね。

mike

必ずしもそうとは言えません。靴底の減る原因は、悪い姿勢だけではなく、例えば「歩き方の悪いクセ」も典型的な原因の一つだからです。

tora

えーそうか。じゃあ、原因を調べる簡単な方法はないの?

mike

確実な方法はありませんが、靴底の減る部位を調べる事で、ある程度判別できます。

 靴底の減りやすい原因は、悪い姿勢だけでなく「歩き方の悪いクセ」など他にもいくつかあります。

 そこで原因を調べる為に、自分の靴底のどの部分が減りやすいのかを調べてみましょう。

 大抵の場合、靴底の減り方には一定のパターンがあります。ここでは四つの典型的な靴底の減り方のタイプを紹介しましょう。自分の靴の減り方と比較して同じパターンがあれば、原因をある程度絞り込む事ができるはずです。

かかとが減りやすいタイプ

 靴底のかかとが減りやすい場合、その原因は悪い姿勢である可能性が大です。かかとを擦る(かかとを鳴らす)歩行は、重心が後ろに傾いている場合の典型的な歩き方だからです。

外側が減りやすいタイプ

 靴の外側が減りやすい場合も、悪い姿勢が原因である可能性が高いといえます。何故なら、悪い姿勢になると足の外側に体重が乗りやすくなるからです。下図をご覧下さい。

悪い姿勢になると重心はからだの外側にぬける
正面から見た体重の通り道。

 上図は、正しい姿勢と悪い姿勢それぞれの正面から見た体重の通り道を模式的に示した図です。

 図を見ると、左の正しい姿勢はからだの中心をまっすぐ通り抜けていますが、右側の悪い姿勢は腰から左右に分岐して、最終的にそれぞれの足の外側(小指側)に体重が抜けている事がわかります。

 正しく歩く為には、図左のように体重がからだの中心を通っている必要があります。

 しかし、悪い姿勢になり足の外側に重心がずれてしまうと、歩いている時に足底が内側に傾いて、靴の外側を地面に擦りやすくなってしまうのです。

 このようになる原因は悪い姿勢だけでなく、「内股歩きのクセ」や「O脚」の場合もあります。ですから、必ずしも悪い姿勢が原因とは言えないのですが、その根本原因には悪い姿勢が関わっている場合が多くみらます。

内側が減りやすいタイプ

 靴の内側が減りやすい場合、原因は悪い姿勢ではなく「歩き方の悪いクセ」である可能性が高いと考えられます。特に「がに股歩き」は典型的に見られる原因です。

減り方に左右差の大きいタイプ

 靴の両側ではなく、片側だけ減りやすいという人もいるでしょう。この場合、からだの左右のバランスのズレである「からだのゆがみ」が関与しているケースが多く見られます。からだのゆがみについては詳しくは以下をご覧下さい。


 以上、靴底の減り方に見られる典型的なパターンと、その原因について紹介しました。

 ちなみに正しい姿勢である場合、かかとの外側とつま先の内側がバランスよく減る傾向がありますので、参考にしてチェックしてみてください。

まとめ

mike

以上、靴底の減りやすさについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

tora

僕は、かかとの外側が減りやすいから・・・・やっぱり姿勢が原因じゃないか!!

mike

必ずとは言えませんが、その可能性は高いですね。姿勢矯正を頑張ってみれば靴底も減りずらくなるかもしれませんよ?

tora

うぐぐ・・やってみるか・・。

 最後にポイントをまとめます。

  • 靴底の減りと悪い姿勢の間には深い関係性がある。
  • 悪い姿勢になると、重心がかかとに下がり足が前に出しずらくなる為に靴底が減りやすくなる。
  • 靴底が減りやすい原因は、必ずしも悪い姿勢であるわけではない。歩き方のクセも代表的な原因。
  • 靴底の減りやすさのタイプで、ある程度原因を推定できる。
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