悪い姿勢は老化を促進させる。 姿勢矯正のアンチエイジング効果

姿勢と健康
tora

またもや質問のお手紙が届いています。

mike

はいはい。

???

 姿勢矯正には、アンチエイジング(老化予防)に効果がありますか?

tora

うーん、どうなんだろうね?

mike

では、お答えしてみましょう。

目 次

悪い姿勢は老化を促進させる。

 まず先に結論を言っておきましょう。

 姿勢矯正に「肌の張りがよくなる」というような直接的な効果はありませんが、アンチエイジングを「健康増進」と考えるならば、十分効果はある、というのが私の考えです。

 何故なら、悪い姿勢には、アンチエイジングとは逆の「老化を促進」させる働きがあるからです。

 ですから当然、姿勢矯正をすれば、悪い姿勢による「老化促進」の効果を打ち消す事ができます。その結果、アンチエイジングの効果もあるというわけです。

 悪い姿勢による老化促進の働きは、以下の四つが代表的です。

  • 見た目に年老いて見える。
  • 内臓の働きが悪くなる。
  • 健康を害するリスクを高める。
  • 疲れやすくなる。

 それでは一つづつ解説していきましょう。

悪い姿勢になると年老いて見えるようになる。

 まずわかりやすいものとして、悪い姿勢になると、見た目に年老いて見えるようになります。

 高齢になると誰でも体力は低下します。すると、姿勢を支える筋力も少なからず衰えて、背中を真っすぐに保持できなくなり、自然に猫背になりやすくなります。つまり、悪い姿勢は老化の象徴でもあるのです。

正しい姿勢と悪い姿勢イメージ
左)姿勢矯正前 右)姿勢矯正後

 上図は、同一人物の姿勢矯正前と矯正後の写真を並べたものです。両者を比較して年老いた印象を受けるのは、明らかに左の矯正前の姿勢だと思います。

 一方、右の矯正後の写真は、矯正前に比べてより若々しい印象を受けます。つまり、姿勢矯正には見た目に若く見えるようになる効果があるのです。

悪い姿勢になると内臓の働きが低下する。

 悪い姿勢は、内臓の働きを低下させるように働きます。

 悪い姿勢には共通した変形があります。それが「全身の反り返り」です。

全身の反り返り
悪い姿勢の共通変形である全身の反り返り

 上図は、正しい姿勢(図左)と全身の反り返った姿勢(図右)を比較した模式図です。図右は背中が丸く変形した猫背姿勢ですが、図中の赤線が示すように、全身で見るとからだが反り返っている事がわかります。

 このように全身が反り返ると、お腹は前に突き出て、腹筋は上下に引き延ばされて力が弱まります。その結果、お腹の圧力が低下して、内臓機能が弱まる傾向があるのです(下図参照)。

姿勢が崩れる事による腹圧低下図解
悪い姿勢と内臓機能の関係

 姿勢矯正をして全身の反り返りが矯正されると、腹筋は力を取り戻し腹圧は正常に戻ります。その結果、内臓の働きも活性化するようになるのです。

悪い姿勢は健康を害するリスクを高める。

 誰でも歳を重ねれば、様々な健康問題が発症しやすくなりますが、悪い姿勢はそのリスクをさらに高めるように作用します。

 腰痛・肩こり・頭痛などを中心とした様々な症状が悪い姿勢により発症しますが、ここでは特に老化と関係する症状、「膝の痛み」と「圧迫骨折」のリスクを高める事について解説します。


 健康を害するリスクを高める原因にも、やはり「全身の反り返り」変形が関与しています。

悪い姿勢になると膝の関節が締め付けられる
全身が反り返ると膝関節が締め付けられる仕組み

 上図は、全身が反り返る事で、膝の関節にかかる負荷がどのように変化するのかを示しています。全身が反り返ると膝の関節が押し付けられて、膝関節のストレスが高まる事が図からわかります。

 このような状態が長期的に続くと、膝関節に炎症が引き起こされて痛むようになるのです。

 又同様に、圧迫骨折(あっぱくこっせつ)も悪い姿勢によりリスクの高まる典型的な症状です。

 圧迫骨折とは、背骨が上下につぶれてしまう骨折です。老化により骨密度が低下すると、特に大きな原因がなくても、突然背骨がつぶれてしまう場合があるのです。

 つぶれた背骨はくさびのような形になり、背中を大きく変形させる原因になります。たまに背中が極端に丸くなっているお年寄りを街中で見かけると思いますが、その多くは圧迫骨折が原因なのです。

 そして悪い姿勢は、圧迫骨折の頻発しやすい「胸と腰の境目」の部位にストレスを集中させるよう作用します。

反り腰
反り腰になると背骨にかかるストレスが高まる。

 上図は、典型的に悪い姿勢に見られる「反り腰」の状態を模式的に示したものです。

 図右の反り腰の状態を見ると、腰が弓なりなる事で、胸と腰の境目に折れ曲がりのストレスがかかる事が解ります。このような状態が続けば、圧迫骨折のリスクは大きく高まる事になるのです。


 以上、悪い姿勢による「膝の痛み」「圧迫骨折」のリスクの高まる仕組みについて簡単に解説しました。

 紹介した症状以外にも、悪い姿勢により高まる健康上のリスクは様々です。このようなリスクは姿勢矯正をする事で、大きく減少させる事ができます。

悪い姿勢になると疲れやすくなる

 加齢により体力が衰えれば、疲れやすくもなります。そして悪い姿勢は、疲れやすさの大きな要因でもあります。

 悪い姿勢はからだの力のバランスが崩れた状態です。その為、日常生活に必要とする力を必要以上に増大させます。特に背中を中心に疲労がたまりやすい状態になります。

反り返りによる身体への負担の違い
悪い姿勢になると、筋力バランスが背中中心になる。

 又、歩行時に足がうまく前に出ない為に、歩くだけで疲労しやすい傾向もあります。

悪い姿勢の歩行
歩行時に重心が後ろに傾いて疲労しやすい状態

 もちろん姿勢矯正をすれば、からだの筋力バランスが整う事で疲労しにくくなり、年をとっても元気な状態を維持する事ができるようになります。

まとめ

mike

以上、姿勢矯正による老化防止効果を解説しました。

tora

こうやって並べてみると、姿勢矯正は健康に効果的なんだという事がよくわかるね。

mike

その通りです。姿勢はからだの働きの基本ですから、それだけに健康増進の効果は高いのです。

 最後にポイントまとめます。

  • 「肌の張りがよくなる」などの直接的な効果はないが、姿勢矯正に老化防止効果は十分ある。
  • 正しい姿勢は若く見える。
  • 姿勢矯正をすると内臓の働きが良くなる。
  • 老化による健康上のリスクを軽減できる。特に膝の痛みや圧迫骨折の予防に効果的。
  • 疲れにくい元気なからだになる。
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